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「あれぇ?でもこいつけっこー有名なのに、知らなかったの?」
魁斗が疑問を投げ掛ける。
確かに。
俺はこの辺一帯では名の知れた(らしい)、いわゆる不良だ。
『狂気の高藤』のあだ名までついている。
「え…そうなんですか…?」
「そーだよ!『狂気の高藤』って、聞いたことない?」
「…あります…けど…。」
「こいつがソレ。」
「…………」
あ、固まった。
さっきから思っていたが、こいつは表情が乏しいように見える。
多分今こいつは驚いて固まっているのだろうが、その表情はあまり驚いているようには見えない。
目立った表情の変化が見られないのだ。
「…名前しか聞いたことなくて…実物見るのは…初めてかも…。」
「いや、昨日会ってるだろ。」
「あなたが『狂気の高藤』だなんて知らなくて…。」
こいつ…
なんかアレだな。
悪い意味ではないが、なんかぼやぼやした感じの。
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