大きな変化

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拾うとそれはやはり手紙だった。 白い封筒の中に、恐らく便箋が入っている。 この御時世に手紙か… いや、何でこんなものがここに? そもそも最初からあったか? 「先ぱ………、っ!」 尚翔が俺の手にある手紙を目にした途端、血相を変えた。 端から見てもわかりやすい程、顔を真っ青にしている。 「…先輩…それ、返して…」 「あ? お前のか?」 「ん………」 俺に向けて差し出される手。 ただの手紙に興味もなかったから、俺は言われるがままその手に渡した。 返されたソレを、尚翔は素早く鞄の中に入れる。 「…そんなに必死に隠さなくても、別に興味ねぇよ。」 「………うん。」 その様子に微かに違和感を抱くが、敢えて気にしないフリをする。 「おーーーーっす!! 潤!! あ、尚翔クンもう来てる~♪」 微妙な空気を突如ぶち壊した魁斗の乱入に、尚翔はほっとした笑みを浮かべた。 「あれ、潤その焼きそばパン、もしや購買の? さっき行ったら売り切れてたんだよ~~~」 「欲しいのか?」 「え、くれんの?」 「………」 尚翔が悲しげな顔で俺を見上げた。 そんな目で見られてもな… いやまぁ俺も、尚翔が俺にと買ってきた物を易々と他の奴に譲るのは癪だ。 「やっぱやらねぇ。」 「えっ! んだよ、期待させんなよぉ!」 うん、いつも通りだ。
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