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「手紙に書かれてたのは、そりゃキモいけど、そこまで過激じゃないじゃん? でも2通目でコンドームなんか入れるか?フツー。」
「いや、何通目だろうが入れねぇだろそんなもん。」
自分でも正論だと思うツッコミを入れるも、内心穏やかじゃなかった。
ラブレター…告白…当たり前だが、尚翔に好意を持つ誰かが、尚翔にアプローチをかけている。
…いいじゃねぇか。やり方はどうあれ、これが尚翔が俺から離れるきっかけにでもなってくれれば。
俺はやっと解放されるんだから。
「………」
───なんて。
こんなのは建前だ。認めたくないが。
そのラブレターの送り主と尚翔が結ばれれば、尚翔が周囲から心配されることはなくなるし、俺も付き纏われることはなくなる。
一石二鳥。
何も不都合なんてない。
なのに………こんなにモヤモヤするのはなんでた?
「……潤?」
「………」
「潤? おーい?」
「…うるせぇな。聞こえてるよ。」
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