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「で? 潤は尚翔クンの騎士になったってワケね~」
「変な言い方すんな。」
教室で魁斗と駄弁りながらそんな会話をする。
最近は屋上だけでなく、教室にいることも多くなってきた。
魁斗もそれを不思議がっていて最初は面白半分に問い詰めてきたが、最近は飽きたのかそれもなくなった。
同じクラスの奴らは、明らかに迷惑そうな顔をしたり、怯えた顔をしたり、とにかく俺と関わるまいという態度だ。
そんなのは俺にはどうでもいい。
そもそも俺がどこにいようが俺の勝手なのだから。
…それに。
「ま、ここにいれば愛しの尚翔クンを眺められるからね。」
「なんっ…なワケねぇだろっ! つーかなんだ“愛しの”って!」
「でも実際ガン見してるデショ、尚翔クンのいる体育。」
「っ…してねぇ!」
そう。
ここの教室からは、学校のグラウンドが一望できる。
グラウンドで一度も体育の授業を行わないというクラスは存在しない。
つまり、当然尚翔がいる時もあるワケで。
…認めたくなかったが、認めざるを得ない。
ここから尚翔の姿を見るのが、日課になりつつあるのだ。
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