魔の手

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「じゅーんー、今日バイトねえだろ? 帰りにゲーセン寄ってこーぜ。」 放課後。 魁斗がそう言って誘ってきた。 いつもなら承諾していたが… 「悪ィ。今日は無理。」 「えっなんで?」 「先約がある。」 「先約ゥ? なんでまた────…あ。」 怪訝な顔をした魁斗は、一瞬で察したようだ。 「尚翔クンね。」 「………」 「例のストーカー対策ってとこか。」 コイツ…普段へらへらしてるくせに、こういう時は何故か勘が鋭いし、頭の回転も速い。 長々と説明するのが面倒な俺からしたら楽でいいのだが。 まだ帰りのHRが終わったばかりだから、今から向かえば尚翔が教室で1人きりになる確率は低い。 昼間のことがあるから、1人にさせるのは余計心配だ。
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