理由が無くても守れる権利

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「────は…?」 昼休みになり、尚翔の教室へ赴いたものの、尚翔は居なかった。 出入口の近くにいた奴を捕まえて居所を訊くと、 「に…西崎なら、2年の人に呼ばれて出て行きましたけど…」 呼ばれて出て行っただと? 「…1人でか?」 「はぁ…」 「そうか…わかった。」 どうしてだ。 あれほど1人で行動するなと言ったのに、どうして1人で行ったんだ。 心配なのに。 心配だと言った筈なのに、アイツは俺を信じてないのか。 『おれは大丈夫だから。』 信じてないから、ああ言ったのか。 あれはやはり、俺を拒絶する言葉だったのか。 『先輩は、先輩のしたいようにして…』 俺のしたいように? だから、してるんだろうが。 お前が大切だから。 お前が好きだから。 今程、お前の考えていることを知りたいと願ったことはない。 周囲の視線を気にも留めず、手当たり次第教室を捜していく。 居ない。 どこにも。 2年の奴が呼びに来たということは……100%、あの朔原とかいうストーカーだ。 念の為2年の教室も当たってみたが、朔原が何処へ行ったのか知る奴はいなかった。
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