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一番は、潤先輩にこれ以上迷惑をかけたくなかったから。
だけど………おれは怖かった。
先輩がおれを心配してくれて、守ろうとしてくれているのは嬉しかった。
同時に…胸が苦しかった。
先輩がおれにここまでしてくれる理由が、真意が、わからなかったから。
出会った当初と比べて、潤先輩の雰囲気が柔らかくなった(おれの目から見てだけど)と思う。
傍にいていいと言ってもくれた。
嬉しいのに………先輩の気持ちがわからなくて、苦しい。
一度何かを許されると、それ以上を望んでしまうようになる。
“自分にだけ触れてほしい”
“自分にだけ笑いかけてほしい”
“自分だけを見てほしい”
“貴方の一番になりたい”
…怖くなった。
どんどん溢れてくる、自分の中の醜い欲望を、他でもない先輩に知られるのが。
おれの問題でこれ以上先輩に迷惑をかけない為にも………そして、頭を冷やす為にも、距離を置かないといけない。
『おれは大丈夫だから…』
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