理由が無くても守れる権利

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それが、こんなことになるなんて。 予想をしていなかったワケじゃないけど、警戒心が足りなかったらしい。 「嬉しいよ、尚翔君……やっと俺の想いを受け入れてくれる気になったんだね。」 おれの身体の上に跨がり、朔原先輩が言った。 昼休み、教室で過ごそうとしていたおれを、見知らぬ2年生が訪ねてきた。 朔原先輩ではなく、茶色がかった髪の、スラリとした身長の男の先輩。 2年生には潤先輩と魁斗先輩しか知り合いがいないおれは、突然初対面の先輩に呼び出され、怪訝に思いながらも応じたのだけれど。 連れてこられたのは、生物室。 教科専用の教室が纏まって入っている校舎にあり、授業の時以外ほとんど人が来ない、1階の隅に位置する教室。 言われるがままに付いていき─────自分の警戒心の無さを悔やんだ。 そこで待っていたのは、朔原先輩。 「朔原、連れてきたぞ。ったく、恥ずかしくて自分で呼べないとか女子みてーなこと言ってんなよ。」 「ありがとう。悪いね、高田。」 高田と呼ばれた、おれを直接呼び出した彼は、そのまま生物室を出ていき。 …おれと、朔原先輩の2人きりになってしまった。
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