562人が本棚に入れています
本棚に追加
「…泣いてるの?」
ふと、朔原先輩が動きを止めておれの顔を見た。
「…可哀想に。あの不良がずっと怖かったんだね。ずっと従わされてたからね。」
「違…」
「もう大丈夫だから。君は僕の物だって、アイツにわからせてやる。」
「や…やめ…ッ」
ジー…と、スラックスのチャックが開けられる。
全身から血の気が引いていく。
そこだけは……絶対に嫌だ。
助けて。
誰か。
ここは体育倉庫。
授業がある時間以外、滅多に人が来ない。
誰も、こんな所で 人が襲われてるなんて思わない。
それが一層おれを絶望的な気持ちにさせた。
助けて。
助けて。
最初のコメントを投稿しよう!