理由が無くても守れる権利

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「…泣いてるの?」 ふと、朔原先輩が動きを止めておれの顔を見た。 「…可哀想に。あの不良がずっと怖かったんだね。ずっと従わされてたからね。」 「違…」 「もう大丈夫だから。君は僕の物だって、アイツにわからせてやる。」 「や…やめ…ッ」 ジー…と、スラックスのチャックが開けられる。 全身から血の気が引いていく。 そこだけは……絶対に嫌だ。 助けて。 誰か。 ここは体育倉庫。 授業がある時間以外、滅多に人が来ない。 誰も、こんな所で 人が襲われてるなんて思わない。 それが一層おれを絶望的な気持ちにさせた。 助けて。 助けて。
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