562人が本棚に入れています
本棚に追加
/211ページ
尽きることの無い、恋人への欲情。
──…身体が熱い。
身体の奥で灯った熱は、今や全身に広がっている。
もっと満たしたい。
満たされたい。
今にも暴れだしそうな欲望全てを、俺の愛撫で蕩ける尚翔へぶつけてしまいたい。
ずっと重ねていた唇を名残惜しげに離す。
ナカを掻き回していた指を抜くと、俺は逸る気持ちを抑えながら腰を寄せた。
「尚翔…」
尚翔の耳元に唇を近づけ、囁く。
「挿れる…から…」
掠れる声でそう告げた俺は、
「っ、く…ッ」
「あ───…」
熱く滾った己の欲望を宛がうと、慎重に埋めていった。
思っていたより、キツい。
初めてだと言った尚翔の身体は、確かに怯えていた。
それでも、必死に俺を受け入れようとしているのがわかる。
「~~~~~~っ」
尚翔が声にならない声を上げた。
「尚翔…痛いのか?」
「っ、い……いたく、な…ッ」
…嘘だ。
本当は、痛いに決まってる。
隠しきれていないのに隠そうとする尚翔が、愛おしくて堪らない。
俺は痛みに耐える尚翔の頬にキスをした。
「悪ィ、尚翔。俺はお前が大切だ……けど、止めてやれねぇ。」
「…ハアッ………せ、ん…ぱい…」
「好きだ、尚翔……好きだから………」
自分の口から漏れる、情けなくも懇願するような言葉。
ふと見下ろした先にいた尚翔が、ふわりと微笑んだ。
「おれも…好き………だから…………止めないで…」
最初のコメントを投稿しよう!