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「…俺も、男とこういう関係になるとは思ってなかった。」
俺は尚翔の隣に腰掛け、そう言った。
「人生何があるかわかったもんじゃねぇな。」
「ん…」
「…誰かを好きになるのは、お前で最後にしたい。」
「………」
俺が告げた言葉に、尚翔は何も言わず俺を見つめ返した。
その綺麗な瞳が、俺だけを映せばいい。
そんな我が儘を思ってしまう程に。
「だから、尚翔………お前はずっと、俺の傍に居ろ。」
「うん…」
泣き笑いのような表情を見せる尚翔。
この顔も、俺だけが独占できればいいのに。
そう思うのも、惚れた弱味だ。
「…傍に、居させて…」
震える声。
懇願するような声音。
…本当に、堪らない。
堪らなく可愛い。
音も無く、言葉も発せず、顔を近づけ、
そのままゆっくりと、唇を重ねた。
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