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とんでもない爆弾を投下しやがった。
いや、この女の言ったことは間違ってない。
確かに尚翔と出会う少し前までの俺は、ハッキリ言えば女関係にだらしないところがあった。
今思えば、中学か高校のクソガキが色んな女と身体だけの関係を持ってはその女絡みで喧嘩を吹っ掛けられたりもした。
ただ俺にとっては、もう過去の話だ。
今は、尚翔がいる。
俺の過去の女関係を尚翔に知らせる気は毛頭なかったし、そもそも知られたくない。
なのに、だ。
こんな所で、こんな形で知られる羽目になるなんて。
しかも関係を持った女の1人に。
マジで最悪じゃねぇか。
「ところで、そっちの子は? もしかして舎弟でも持つ気になった?」
矛先が、尚翔に向いた。
これ以上、墓穴を掘るのは御免だ。
「…尚翔。行くぞ。」
「…!」
「え~もう行っちゃうのぉ? もう少し話したかったぁ残念!」
ケラケラと不愉快な笑い声を上げるソイツに、恐らく悪気はないんだろう。
だけど俺としては一刻も早くこの場から立ち去りたい。
「潤~、まったね~」
“また”なんか、あってたまるか。
俺は内心でそう悪態をついて、尚翔の手を引っ張った。
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