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バイトの時間が迫ってきて、校舎の昇降玄関に向かっていると、
(…うわ。)
見覚えのある姿が、正面から歩いてくるのが見えた。
西崎 尚翔だ。
大量のノートを両腕の上に積み、若干ふらつきながらこちらに向かってくる。
…大丈夫か、アレ。
ノートの量からしてかなり重そうだ。
男子とは言えあれだけの量を1人で持たせるとか、どんな教師だよ。
…いや、何気にしてんだ俺は。
あんなの無視しとけばいい。
俺には関係ない。
俺もアイツもお互い歩いてるから、その距離はどんどん近づいている。
「あっ…」
「っ!」
互いの顔がハッキリ見える距離まで来たその時。
西崎が不意にふらついた。
大量に積まれたノートもバランスを崩す。
「危ねっ───────」
───────…………
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