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バサバサバサ───────
閑静な廊下に、派手な音が響いた。
思わず身体が動き、俺は落ちそうになるノートを受け止めようとしたが、やはり無理だった。
けれど、直後に気づく。
────何やってんだ、俺は…
放っときゃいいのに、わざわざ手助けするような真似。
しかも、相手はあの西崎 尚翔。
余計懐かれるだろうが…
「………」
「………」
西崎は驚いた顔で俺を凝視している。
多分あっちも、まさか俺が手助けしようとしたなんて思いもしなかったんだろう。
気まずい空気が流れる。
「あ…あー…」
とりあえず少しだけ距離を取る。
未だに驚いた顔で俺を見てくる西崎から逃げるように、ノートが散らばった床に視線を落とした。
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