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西崎は、俺を肯定する言葉をくれた。
けれどそれは俺にとっては苦痛だった。
だって俺は、コイツが思うような人間じゃないから。
人を殴ることでしか、自分の存在意義を認められなかったから。
「俺はな、人を殴ったことで親に見捨てられたんだ。ただ自分の身を守る為だけだったのに。たったそれだけで親に見捨てられるわ、興味もねぇ奴らには目ェ付けられるわ……誰も俺を守ってくれなかった。だから俺は暴力を使う。誰も俺の存在を認めて、必要としない。だから俺は暴力で、自分で自分を認めるしかねぇんだよ。」
…ああ、なんで俺、西崎相手にこんなこと言ってんだ。
何熱くなってんだ。
こんなこと言ったって、コイツに同じ目に遇わせられるワケないのに。
魁斗にしか言わなかった本音を、何故西崎にぶつけてるんだ。
「とにかく、だ。今後一切俺に関わるな。第一俺なんかと関わってたら、お前まで孤立するだろうが。」
別にコイツを思っての言葉じゃない。
ただコイツが本当に孤立した時に、自分が恨まれるのが面倒なだけだ。
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