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こうして見ると…コイツ、マジで女みたいな顔立ちだな。
睫毛長いし。
目もでけぇし。
…って何考えてんだ。
「近ェ。離れろ。」
「あ…ごめんなさい。」
無理矢理西崎を押し退けるが、内心動揺していた。
不快な気分じゃない。
思わず西崎の顔に魅入られてしまった自分が信じられなかった。
「じゅーんー? どうかした?」
「っ…別にどうもしねぇよ。」
「嘘だ~~~~顔が赤いよ?」
「黙れ、魁斗。」
魁斗はニヤニヤして俺を見ている。
…他人事だと思いやがって…殴っていいか?
「先輩…そろそろ午後の授業始まる…」
「だから何だ。」
「出なきゃダメだよ。」
「あ? んなもんどうでもいい。つーか俺に指図すんな。」
俺に真面目さを強要しようとする西崎が鬱陶しく、俺は温くなった缶ジュースのプルタブを開けた。
…それなのに。
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