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「…何。お前は授業出るんだろ。」
俺には催促したくせに、西崎も動こうとしない。
それどころか、立ち上がりかけていたのに再び俺の隣に座りだした。
「…先輩がサボるなら、おれもサボる。」
「は?」
「先輩が普段過ごしてる時間、おれも過ごしてみたいし…」
呆れた。
何言ってんだコイツは。
単純にサボってるだけなのに、そこまで美化される必要はない。
高校に入ってから、こんな風に俺と授業をサボりたがる奴は、魁斗を除いて誰1人としていなかった。
なんつーか…どう対処していいか正直わかんねぇ。
「馬鹿言ってんじゃねぇ。お前までサボったらお前の評価が下がるだけだ。俺にとってもお前にとっても1つもメリットねぇよ。」
「周りの評価気にしてたら、最初から先輩の傍にいないよ。」
「…とにかく、御託並べてないでとっとと授業行け。」
「………」
シッシッと追い払う仕草を見せると、西崎はあからさまに残念そうな顔をした。
立ち上がってそのまま行くと思いきや、西崎は俺の方へ振り向いた。
「その代わり、先輩…」
「何だよ。」
「今日、おれと一緒に帰ってくれる?」
「はぁ?」
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