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コイツはまた突拍子もないことを…
一緒にサボりたいとか言い出したと思えば、一緒に帰りたいだと?
コイツは本当に…
「怖いもの知らずだね、尚翔クン。」
魁斗が俺の気持ちを代弁するように言った。
「潤と一緒に帰りたいなんて言う強者がいるとは思わなかったなぁ。せっかくだし潤、帰ってあげたら?」
「はぁ!? 何がせっかくだ。勝手に決めんじゃねぇよ。」
「だって、ねぇ。なかなかいねーよ? お前みたいなのと帰りたがる奴。超レアじゃん。」
「別に俺は誰かと一緒に帰りたいなんて思ったことねぇよ。」
「でも尚翔クンは、帰りたいもんねえ? 潤と一緒に。」
魁斗が俺を無視して西崎に話を振る。
西崎も同調するように首を縦に振った。
コイツら、妙に仲良くなってねぇか?
俺の気のせいか?
なんで魁斗は何かと西崎の肩を持つ発言をする?
「潤よー。お前もいつまでもコーコーセーやってられるワケじゃねんだからさ。ここはひとつ、人付き合いのリハビリでもしてみれば?」
「…お前な…」
魁斗の言うことは一理ある…とは思う。
だとしても強引すぎる。
西崎を見ると、期待に満ちた眼差しを俺に向けている。
「好きにしろって、先輩、言ったから…好きにさせてもらう…」
「~~~~~~っ」
ああ、言った。
確かに言ったな。『好きにしろ』と。
いくらなんでも、この期に及んで前言撤回は情け無さすぎる。
「チッ……わかったよ。」
舌打ちを隠すことなくそう告げると、西崎は嬉しそうな顔をした。
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