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そして放課後。
正直学校が終わる前に帰ってしまおうかとも思ったが、それはそれで大人気ないと思い直し、西崎を待つことにした。
魁斗はと言うと、『俺がいたらお邪魔虫でしょ』と言って先に帰っていった。
だから俺は1人、屋上で時間を潰していた。
…そろそろ来る頃か?
っていやいや、まるで待ちわびてるみたいじゃねぇか。
そもそもなんで俺は律儀にアイツが来るのを待ってるんだ。
さっさと帰ればいいじゃねぇか。
あんな奴放っといて。
…イライラする。
何に対して?
アイツに対して?
違う。自分自身に対してだ、この苛立ちは。
「潤先輩。」
「!」
不意に頭上から声がした。
顔を上げると、西崎が俺を見下ろして立っていた。
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