小さな変化

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4人一斉に、俺に向かって殴りかかってきた。 「オ゙ラァ!!!」 我先にと殴りかかってきた1人の横っ面に、拳を叩き込んでやる。 ソイツはゔっと呻き声をあげて地面に転がった。 2人目は俺の顔目掛けてストレートをかまそうとしてきた。 俺は少し身を屈め、ソイツの腹のど真ん中に拳をめり込ませた。 不良同士の喧嘩で面倒なのは、相手が殴られても何度も立ち向かってくるところだ。 ヒーローアニメの主人公なら感動だろうが、現実はそんなものじゃない。 どうでもいい奴にしつこく絡まれること程面倒なことはない。 だから叩きのめして再起不能にしてやることも多い。 今日も手っ取り早く終わらせるか… けれど俺は忘れていた。 「先輩っ…」 ─────え? 俺を呼ぶ声にハッとして振り向くと、不良の1人が西崎を捕らえているのが目に飛び込んできた。
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