小さな変化

30/31
前へ
/211ページ
次へ
「…初めて、授業サボっちゃった。」 それも多分、俺のせい。 別に俺は、西崎に待っててくれなんて頼んでない。 でも、西崎は俺を待っていた。 …俺が昨日、あんな態度を取らなければ。 だから、少なくとも半分は俺のせいなんだ。 「…先輩…」 「何だよ。」 「もう、怒ってない?」 「!」 西崎の声に我に返って見ると、西崎が不安げに俺を見上げていた。 怒りなんて、とっくに消えている。 朝から俺を待っていた西崎を目の当たりにしたお陰で。
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

562人が本棚に入れています
本棚に追加