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「案外復活すんの早かったね。」
「…うるせぇな。」
翌日。
俺と魁斗、そして西崎の3人で、屋上で昼食を摂っていた。
昨日の気まずさが嘘のように、俺は西崎と同じ空間でまた過ごしている。
「…先輩、今日もコンビニ弁当…」
「だから何だよ。」
「野菜足りない…おれのあげる。」
「はっ? ちょ、何入れて───」
何故か俺の手元のコンビニ弁当の中に、西崎の弁当の中からブロッコリーが入れられる。
夜遅くまでバイトをしていて、帰宅する頃にはすっかり疲労困憊になっている俺は、自分で作るのが面倒だからコンビニ弁当で済ませていることが多い。
栄養が偏っているのはわかっている。
しかし野菜が足りていないことでお節介されるとは…
母親みたいだな。
「先輩、もしかしてブロッコリー嫌い?」
「そうじゃねぇよ。……ハァ、もういい。」
投入されたブロッコリーの姿に、反論する気力も殺がれてしまった。
大人しくソレを口に運ぶ。
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