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「なんかまるで親子だな。」
「やめろ。」
俺も薄々思っていたことを口に出すな魁斗。
まるで俺が野菜嫌いの馬鹿息子みたいだろうか。
「先輩の分の弁当…作ってあげようか?」
西崎が唐突にそんなことを提案してきた。
突拍子もないその提案に、俺は危うく米を喉に詰まらせかけた。
「ゴホッ………何言い出すかと思えば……いらねぇよ、ンなもん。」
「…迷惑?」
「っ…」
上目遣いで見てくる西崎。
迷惑、と言えば迷惑だ。
…けれどそれは、西崎と出会った当初とは違う意味の“迷惑”。
じゃあどういう意味かと訊かれると、わからない。
頭の中のどこかで、警告音が響いている。
「つべこべ言うな。いらねぇっつったらいらねぇんだよ。余計なことすんじゃねぇ。」
「…わかった。」
西崎は微笑み、すんなり受け入れた。
普通に笑ってるだけ、なのに。
西崎のその笑みに、何故か俺の胸中はもやもやした。
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