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ふわりと微笑む西崎に、何故か胸の奥がざわつくのを感じる。
今までこんなことなかったのに。
ふと視線を感じて見ると、案の定魁斗がニヤニヤして俺を見ていた。
「ニヤニヤすんな、気持ち悪ィ。」
「いやぁ~~~? 潤も俺離れが進んでるなぁって。」
「はぁ?」
「今までは1人で帰るか俺と帰るかのどっちかだったのに、尚翔クンとも帰るようになっちゃってさ。漸く俺以外にも心開いたんだなーと思って。」
「なんっ………俺はただ、これ以上はめんどくせぇから好きにさせてるだけだ! 変な推測すんな!」
「ハイハイ、そーゆーことにしといてあげる。」
「魁斗っ!」
魁斗は、如何にもわかってますよと言わんばかりのドヤ顔だ。
…むかつく…
魁斗にもむかつくが、それ以上に魁斗の発言に動揺している自分自身にむかつく。
何故なら俺の中で、確実に変化が起きているから。
でもそれを認めるワケにはいかなかった。
どうせ西崎も、俺が中学生だった時の周囲の奴らと同じ。
喧嘩で何人も傷つける俺から、いずれ離れていくに決まってる。
…そう、思っているのは変わらないのに。
なんで俺は、西崎が傍にいるのを許してるんだ。
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