大きな変化

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「でもいつもは放課後は屋上にいるよね。」 「う…るせぇな。気分だ気分。」 …というのは嘘だが。 あの教室にいたい気分になんて、なるワケねぇだろ。 あの、空気の中に自ら入っていく度胸は、流石にない。 (……試してみたいと思ったんだ。) 西崎がわざわざ教室にまで俺を捜しに来る程、俺と帰りたいと思っているのか。 我ながら馬鹿げている。 コイツの気持ちを試すなんて。 「…よかった。」 「あ?」 「本当はね、先輩、先に帰っちゃったかなと思って、諦めかけてたんだけど……一縷の望みで教室行ったら先輩がいてくれて……すごく安心した。」 「………」
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