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「あれだろ? “狂気の高藤”。お前あんなのと関わってて大丈夫なの?」
あんなの、とは何だ。
失礼な野郎だ。
隠れながら密かにツッコミを入れる。
まさか俺が近くにいて聞いているとは夢にも思っていないだろう西崎とそのクラスメイトは、尚も話し続ける。
「大丈夫だよ。」
「殴られたりとかしてねえ? あ!もしかしてパシられてたりとか。」
「ない、ないよ、そういうのは。」
あの野郎…
いくらなんでも、見境なく暴力振るう人間じゃねぇよ俺は。
西崎も否定したからいいが…
つーかいつまで喋ってんだ。
早くどっか行ってくれ。
気まずくて出ていけねぇ。
…いや、俺が気まずさを感じる必要性はない筈だ。
なのに、今、アイツと顔を合わせづらい。
「あの人は…潤先輩は…すごく優しい人だよ。」
「優しい? それは嘘だろ。」
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