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黙ってろモブ。
「先輩は…喧嘩っ早いとか怖い不良とかよく言われてるけど、先輩自ら人を殴ったりしない。」
「そうかぁ…?」
「そうだよ。」
信じられないという顔のクラスメイトに、西崎は珍しく力説する。
「先輩のは、誰かを攻撃する為の暴力じゃない。あくまで自分を守る為の暴力だと思う。…それを知ってるから、おれは傍にいられる。」
気づけば、その場に座りこんでいた。
西崎の言葉に、身体が金縛りに遭ったかのように動かなくなり、
やがて脚から力が抜け、情けないがへなへなと崩れ落ちてしまった。
───初めて言われたから。
あんなこと。
どうして…
どうしてアイツの言葉なんかに、こんなにも身体が震える。
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