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なるほど、ソレに対する謝罪ってワケか。
理解した。
ハァ、と溜め息が零れる。
それを耳にして、ますます落ち込む西崎。
というか多分、不安になっている。
その細い指が、自らのシャツを握りしめているのが、その不安を表している。
…そんな不安がらなくてもいいのに。
「…確かにな。良い気分ではねぇな。」
「……ごめんなさい…」
「別に責めてねぇよ。」
今までの俺なら、良い気分じゃない以前に何とも思わなかっただろう。
自分を悪く言われるのはいつものことだから。
俺が周囲から孤立し始めた当初は勿論不快で堪らなくて、何度も相手を殴ってやりたい衝動に駆られた。
でも回を重ねるごとに感覚が麻痺したのか、それもだんだんと何も感じなくなっていった。
俺の人生において、不要だと認識するようになったから。
言いたい奴には言わせておけばいい。
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