第1章

2/43
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
ーーーー待って…お願い… 水たまりに模様を作る雨はますます激しく降りつづける 髪から雫が絶えなく落ちていく 何も考えられない 呼吸をするのも忘れるほどただ走っていた 『待って…!』 必死で叫んだはずなのに 枯れてかすれた声は雨の音にかき消されてしまった 『あっ…』 水たまりに足を滑らせて身体をアスファルトに打ち付けた その瞬間ぱっと眩しい光が当てられた キキィィィーーー…!! 身体に激しい衝撃が走る ーーー…待って… 『彰吾…』
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!