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桜が舞っていた。
大学からの道のりは桜の木がたっている。
1人、小さなキャンパスバッグを持って歩いていた。
信号が赤になる。ぼーっと空を見上げた。
桜の花びらが水色の空に舞い上がり風とともに流れていく。
ただぼうっと見ていた。
大学の入学式から一週間たった。
少しずつ大学に慣れてきた。
大学は嫌じゃない、むしろ国公立の第一志望の大学に入れて嬉しかった。講義は集中できている。友達だってまあまあできた。
だけど…
ぽっかりと心に空いた穴は2年も前のまま。
何をどうしてもその穴が埋まることはなかった。
信号が青になる。気づかなくて後ろの人がぶつかって気づいた。
あわてて横断歩道を渡った。
『もう2年になるのか…。』
ぽつんと吐いた独り言が町に浮いて消えてゆく。
ははっ、情けなくて笑えてくる。
いつまでこんなこと考えてるのだろう。
公園の時計が目に付く。
いけない、と思い道を急いだ。
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