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「あっ、ごめん。キャッチが入ったから切るね」
『おい』
健司がまだ喋ろうとしていたけど、奈緒は電話を切る。
繋がった相手は、クラス委員の高橋美咲だった。
『ねぇ、菜津からメールが送られて来たんだけど』
「ああ、らしいね」
奈緒は詳しく見ていないから、よく分からないのだ。
ただ、誰かにストーキング紛いのことをされているらしいという事実で、不安に襲われていた。
『らしいねって、人事みたいに言ってて大丈夫？』
「それがさぁ、私のガラケーだから、よく見えないんだよね」
『えっ、そうなの？ じゃあ家にパソコンとかないの？』
「パソコンかぁ……あるにはあるけど」
奈緒がそう言った瞬間、またキャッチホンが入った。
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