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「まぁ、後で見とくよ」
『そっか……。でも気をつけてね奈緒』
「うん」
うんと返事をしたものの、何をどう気をつけたらいいのか分からない。
よくニュースでストーカー殺人なんて見ることがあるけど、今の今まで、誰かに尾行をされているとか、視線を感じたりしたこともないのだ。
奈緒は電話で話をしながら、部屋の窓に向かい、カーテンを開けて外を見た。
――ゾクッ
奈緒の部屋は道路に面しているから、誰かが見ているような気がして、一瞬背筋に冷たいものが走る。
目を凝らして外の景色をみつめたけど、誰もいる気配はなかった。
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