59人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
琴音の冗談で、一緒にいた子達も笑ったけど、奈緒は何だか笑えなかった。
ストーカー紛いのことをされているのは気持ち悪いが、こんな犯人探しのようなことをやって、大丈夫だろうか？
この行為によって、犯人が特定された場合、その犯人が逆上して、奈緒を恨んだり危害を加えたりしないとも限らない。
ただ写真を撮られるだけなら、そっちのほうがマシだとも思えるのだ。
そのとき教室に入って来た星野大地と目が合った。
線の細い男の子で、あまりハッキリものを言わないから、少し暗いイメージがある。
「おはよう」
大地は声をかけた奈緒に向かって、すぐに目を逸らし、聞き取れないくらいの声で「おはょ」と言った。
最初のコメントを投稿しよう！