夏休み

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「美味しい~」 素麺を一口頬張った菜津が、奈緒の母に向かって少し大袈裟に言う。 「そういえば、菜津んちのパパって、何してるんだっけ?」 そういえば菜津の家族のことは、あまり知らないから、琴音は思い切って聞いてみた。 「ん? うちはいないよ。両親が離婚するときに、私お母さんに引き取られて育てられたから」 「へぇ~。でも確かお兄ちゃんがいたよね?」 「うん。って言っても今は家を出てるから、お母さんと二人暮らしだよ」 菜津が微笑む。 「そっか」 琴音は頷いた。
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