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そして夏休みを迎えて、一週間が過ぎた。
宿題をしなければならないというのに、一向に捗る気配がない。
そんな琴音のスマートホンに、奈緒からの着信が入った。
「もしもしどうしたの?」
『ねぇ琴音。明日の合宿の買出しに行こうよ』
奈緒の声が弾んでいる。
あの自殺事件以来、少なからず自分にも責任があると言って落ち込んでいた奈緒が、ようやく明るい声をだしてくれたことが、琴音は嬉しかった。
「買出しって何を?」
「何をって、泊まるのに必要なモノとか、お菓子とか……」
「お菓子って……子供か!」
琴音は何だか嬉しくて、いつもより全開でツッコミを入れた。
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