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「わぁ、美味しそう」
ダイニングに現れるなり、菜津が目を輝かせる。
「ほら、なっちゃんも座って」
奈緒の母は、奈津に割り箸を手渡した。
「ねぇ菜津~」
「ん?」
「菜津の家も素麺に具材が乗るの?」
琴音が聞いてみた。
「うん。何で?」
「えっ、じゃあやっぱりうちが特別なのか……」
「どういうこと?」
菜津は意味が分からなくて、奈緒のほうを見る。
「琴音のうちは、素麺だけで具がないんだって」
「へぇ~~~」
菜津はまるで不思議なものを見るように、琴音の顔を見た。
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