夏休み

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「わぁ、美味しそう」 ダイニングに現れるなり、菜津が目を輝かせる。 「ほら、なっちゃんも座って」 奈緒の母は、奈津に割り箸を手渡した。 「ねぇ菜津~」 「ん?」 「菜津の家も素麺に具材が乗るの?」 琴音が聞いてみた。 「うん。何で?」 「えっ、じゃあやっぱりうちが特別なのか……」 「どういうこと?」 菜津は意味が分からなくて、奈緒のほうを見る。 「琴音のうちは、素麺だけで具がないんだって」 「へぇ~~~」 菜津はまるで不思議なものを見るように、琴音の顔を見た。
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