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三十分も走ると、一気に田舎になる。
最初は三人で話が盛り上がっていたけど、いつの間にか琴音は窓の外の景色に夢中になっていた。
普段住んでいる町にだって、小さいながらも川はあるし、緑だってある。
だけどやっぱり、車窓から見える風景は全然違って見えた。
走っている道路の左は山で、右には川。
窓を開けて、新鮮な空気を感じたいところだが、真夏の車中である。
開けた瞬間に、エアコンの冷気が全部逃げてしまい、みんなの顰蹙を買うことは間違いない。
さらに十分ほど走ったところで、山の中の町に到着した。
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