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道中かなりの田舎になったから、途中で買い物をすると聞いていた琴音は、こんな山奥にお店があるのかと心配したが、
決して大きくはないが、それなりの町に到着して、そしてかなり大きなスーパーでの買い物ということで安心した。
「例年と違って、今年は人数が多いから、正直買い物の量に迷うのよねぇ。これで足りるのかしら」
大島は事前に購入予定の物を書いたメモ帳を取り出しながら呟く。
それに対してのアドバイスをしてあげたいのはやまやまだが、琴音だって分かるはずがないのだ。
女の子だけなら、自分が飲食する量を考えて、それを人数分かければ良いのだろうけど、男子生徒が飲食する量なんて、分かるはずがない。
ふと、兄と弟のことを思い出す。
琴音の兄にいたっては、野球部に所属して毎日厳しい練習をしているからだろうか、丼に二杯はご飯を食べる。
ところが中学二年生の弟の武流は、琴音と同じ大きさの茶碗を使用しているのだ。
同じ天文部員に置き換えても、津村健司はたくさん食べそうだが、奈良原剛はあまり食べそうにないと思った。
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