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少し走ったところで、山の方に向かう。
ここからは一気に山の中の景色に変わった。
途中に民家が点在しているが、ほとんど右も左も緑一色である。
普段とは違う景色をずっと見ていると、何だか不思議な気持ちになった。
ぽつんと点在する民家。もし自分があの家で生まれていたとしたら、今どうしているのだろう。
当然この辺りの高校に通っていて、奈緒や菜津とは友達じゃないだろう……。
もしここで生まれ育っていたなら……。
琴音はそんなことを思って、少しセンチメンタルな気持ちになっていた。
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