午後のひととき

11/28
前へ
/28ページ
次へ
「だいたいさぁ、奈緒に手渡されたからって、ジュースが美味しくなるとでも思ってるの?」 言わなきゃいいのに、なぜか思うより先に口から出ちゃう。 琴音は言ってから、心の中で反省した。 「はぁ? うるせぇよ」 「感じ悪ぅ~~~~。アンタみたいに感じ悪いヤツ、奈緒が好きになるわけないじゃん」 「何だと!」 今度は超小声で言ったのに、悠輔が怒鳴る。 「もう止めてよ。琴音と菜津に謝って!」 さらに険悪な空気になりかけたところで奈緒が怒ったから、悠輔はそのままバツが悪そうに離れた場所に移動した。 ほとんど全員が奈緒を狙っている状態だから、誰も悠輔をフォローするものなどいない。 誰もが心の中で、悠輔がポイントを下げたことをほくそ笑んでいた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加