午後のひととき

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「そういえば……。一人少なくない?」 大島が周りを見回しながら呟く。 「ああ、先生。葉山が来てないんだよ」 健司が答えた。 「え? 体調不良?」 「さぁ? 一応電話したんだけど、出ないからさぁ」 「迎えには行かなかったの?」 「そんなの行ってたら、間に合わなくなっちゃうじゃん」 健司にしてみれば、少しでも早く奈緒に会いたいのだから、奈緒を狙っているライバルの為に、電車を遅らせるなんて有り得ない。 「そっか……」 「まぁいいじゃん。大勢いるんだから、一人くらいいなくたって」 「ええ、まぁ、そうね」 大島は視線を焼きソバに戻した。
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