午後のひととき

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「何だ? 何か用か?」 悠輔が睨む。 「さっきはごめんなさい」 琴音はその場で頭を深く下げた。 「え、な、何で?」 いつも奈緒の隣で、虎の威を借るキツネをしている琴音が、謝罪なんかしたものだから、悠輔は驚いたらしい。 「さっきは言い過ぎたなぁと思ってさ。本当にごめんなさい」 琴音はもう一度頭を下げる。 もちろん心の中では、アンタなんかと奈緒は付き合わないし、付き合わせないと思いながら……。 やはり琴音にとって、奈緒を狙う者たちは、巧妙に集(タカ)ることが出来るお得意様なのだから、ちゃんとケアをしておかないのは良くないと思っての行動なのだ。
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