午後のひととき

17/28
前へ
/28ページ
次へ
「ねぇ安井と何を話してたの?」 奈緒が小声で聞いてくる。 「ちょっとね」 「何よ~~」 「大したことじゃないよ。みんなの前で怒鳴ったりして悪かったって謝ってきたのよ」 「なぁ~~んだ。てっきりとどめを差しに行って来たのかと思った」 「何よそれ」 「一人くらい煩わしいのが減ってくれると助かるんだもん」 「そんなこと言わないの。こっちは一人くらい煩わしくても欲しいくらいなのに」 「じゃあ上げるよ」 「いや、アレはいらない」 琴音は小声のままで、悠輔のほうをチラッと見てから、奈緒の方を向いて、ニヤッと笑った。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加