霊の存在

2/28
前へ
/28ページ
次へ
毎日毎日死ぬほど暑くて、夏休みに入ってからは、外に出るのも億劫だったけど、今日は暑いのにそれが苦にならないくらい楽しい。 魚釣りを満喫すると、次は渓流を上流に向かって散策することになった。 「菜津行くよ!」 釣りには参加せず、見ているだけだった菜津にも声をかけ、みんなで上流に向かって歩き始める。 普段はアスファルトの上ばかり歩いているから、ゴロゴロとした石の上を歩くという、たったそれだけのことが楽しかった。 「すごいよねぇ~」 何がすごいのか分からないけど、奈緒が目を輝かせる。 「うん」 それを琴音は、普段経験できない楽しいことという意味で捉えて、笑顔で答えた。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加