夜の騒動

10/21
前へ
/21ページ
次へ
「何だ?」 安井が座ったまま、琴音を見上げる。 「いや、あの……。みんなと一緒にいないからさぁ、さっきのことまだ気にしてるのかなぁと思って」 「ああ……」 安井は視線を川のあるほうに向けた。 「ごめん」 琴音はもう一度謝罪する。 「いや、違うんだ」 「違う? 違うって何が?」 「うん……。俺は行ってないけど、上流で安藤が幽霊を見たんだろ?」 「えっ……。ぁ、うん」 「さっきからさぁ……何か感じるんだよね」 安井はまた琴音に視線を向けた。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加