いなくなった二人

2/26
前へ
/26ページ
次へ
トランプをしているときは楽しいけど、ふとした瞬間にさっきのことを思い出して、琴音はふと窓のほうを向く。 もしもそこから星野くんが覗いていたら、おそらく悲鳴を上げて卒倒するだろう。 何でせっかくの夜に、こんな思いをしているのだろう。 霊感の強い菜津と安井が参加していなかったら、きっと今頃こんな気持ちになっていないのに……。 琴音は奈緒の隣で楽しそうに笑う菜津を、ちょっとだけ恨んだ。 もちろん菜津だって、見たくて見ているわけじゃないんだし、悪いのは出て来た星野くんなんだけど、幽霊相手に文句を言う度胸はない。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加