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葬儀場に到着すると、会場はまだ若くして亡くなってしまった者の死を悼む悲しみに包まれている。
葉山新之助の母と思われる女性のむせび泣く姿に、琴音の胸も熱くなり、もらい泣きしそうになった。
いつも琴音に憎まれ口を叩いていた、あんなに元気だった葉山が、すでにこの世にいないのだ。
星野大地のときにもそうだったけど、残されて悲しむ家族の顔を見るのが、琴音はいたたまれなかった。
でも……
決してこれも人事ではなく、近い将来の勝田家の姿なのかもしれないのだ。
ここでもまた、琴音は星野大地が自分の名前を書き残したことに対して、なぜ? と思った。
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