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学校の近くまで来ると、そこからは菜津に教えてもらった住所を、スマートホンのマップのアプリで確認しながら目指す。
普段通らないような薄暗い路地を抜けると、いつの時代に建てられたのだろう……。そう思えるようなボロボロのアパートにたどり着いた。
琴音は恐る恐るその独特の雰囲気のある建物に近づくと、安藤の表札を探す。
しかし残念ながらどの部屋にも表札はかかっていない。
菜津の部屋は101号室だから、一階の両サイドのどちらかだと思うけど……。
琴音はスマートホンを取り出すと、菜津の番号を呼び出して接続した。
「琴音」
部屋のドアが開いて、菜津が顔を出す。
「菜津。大丈夫?」
琴音はまず親友の体調を心配した。
「うん。もう全然大丈夫だよ。どうぞ」
菜津はそう言うと、先に部屋へと入っていく。
琴音はそれに続いて玄関の中に入った。
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