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思えば短い人生だった。
カッコイイ男の子とデートしたことさえない人生。
ヤダよ死にたくない……。
殺されるかもしれないという恐怖よりも、悲しい気持ちの方が強かった。
死にたくない。死にたくないよ。
琴音の顔が悲しみで歪んだとき、菜津の背後の準備室のドアが開いた。
(えっ?)
琴音はそれを呆然と見つめる。
中から現れたのは、顧問の大島だった。
(何で大島先生がここに?)
琴音が頭でそう思った時には、すでに大島は菜津のすぐ後ろまで駆け寄っている。
「えっ?」
菜津もすぐに背後の気配に気がついて振り返った。
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