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そして次の日。全然起きない和泉を置いて仕事に行くと、今日も名草さんが近くに寄ってきた。
「なぁ、奈緒。昨日さ、お前の幼馴染だっていう人が来たけど知り合い?なんか話しかけたら、奈緒には俺が来た事話さないでくださいって言われたんだけど」
『幼馴染』と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やっぱり和泉…だけど。
「うーん…。多分、昨日話した10年ぶりに再会した幼馴染だと思います。今俺の家泊まってるんで、ちょっと見に来たんだと思います」
和泉の顔を思い浮かべながら答えると、名草さんの顔は何故か険しかった。
「名草さん?どうしたんですか?」
「え?あぁ、別に何もないよ。ていうか、10年ぶりに再会してきまずくなったりしない?」
「あ、はい。それは大丈夫です。俺たち結構仲良かったし、10年も会わなかったら逆に話したいことの方が多いんで」
「あー、そっか。まぁ幼馴染、だしな。うん、じゃあ今日も1日頑張るか」
そう言って、名草さんは俺の背中を何回か叩いた後、厨房から出て行った。
何となく名草さんのことも気になりつつ、俺も仕事を始めた。
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